2017/01/29

大蓮寺の早春の甘い香り|京都知られざる穴場の絶景

大きな蓮(ハス)の寺と書いて大蓮寺(だいれんじ)。東山二条(左京区)にある浄土宗の小さな寺院です。寺名のとおり、6月下旬から8月中旬頃まで、鉢植えの40数品種のきれいなが境内を埋め尽くします。

大蓮寺のホームページには京都を撮り続ける写真家水野克比古さんの美しい蓮の写真が載っています。また、後光明天皇が、夫人の安産祈願を大蓮寺の和尚に命じ、無事に皇女が誕生したことから、「安産祈願の寺」としても知られています。

春を告げるほのかな香りに癒される

年始から大寒にかけて、大蓮寺ではソシンロウバイ(素心蝋梅)の花が咲きます。寺院が密集している西寺町通沿いの小さな門から入ると、思わず驚嘆の声をもらしてしまうほど見事なロウバイが迎えてくれます。

柵で囲ってありますが、近づいて見やすいように足場が作ってあります。上の写真は、1月末に足場に乗って本堂に向かって撮ったもの、下の写真は反対側から山門に向かって撮ったもので、同じロウバイの木です。まだつぼみがあったので、満開はもう少し先です。

近くで見ると、半透明のロウに似た質感の黄色のかわいい花です。甘くて芳しい香りを境内の一面に漂わせています。ロウバイは、英名をWinter sweet(ウィンター・スウィート)といいます。

なお、ロウバイは漢字で「蝋梅」と書きますが、ロウバイはロウバイ科で、梅はバラ科です。つまり、ロウバイは梅ではありません。花はポロポロと散りやすいので、触らないでください。

ロウバイの他にも境内には、鉢植えの花があります。下の写真は、木瓜(ボケ)の花です。開花にはまだ早く、ほとんどがつぼみです。200を超える品種がありますが、一般的な開花期は3月~5月です。

花の少ない寒い冬だというのに、大蓮寺の境内は花であふれています。寒い時期にも寺に来られる方への「おもてなし」の心を感じます。

鉢植えですが、梅の花も咲いています。

大蓮寺は、京都市内の観音様を巡る「洛陽三十三所観音霊場」の第八番札所です。開門中は本堂脇壇に安置されている十一面観音菩薩を参拝できます。寒い冬は訪れる人も少なく、ゆっくり鑑賞できます。



🌸アクセス
京都市左京区正往寺町457(東山二条西入ル一筋目下ル)
バス:京都市営バス「東山二条」または「東山仁王門」バス停 徒歩3分

🌸ホームページURL
大蓮寺オフィシャルサイト
http://www.anzan-no-tera.jp/index.html

🌸公衆トイレ
なし

📷周辺の見所
平安神宮、細見美術館