2017/01/14

妙智院で京都名物の湯豆腐ランチ|京都知られざる穴場の絶景

嵐山は、奥深い京都の魅力が凝縮されている指折りの人気観光スポットです。そんな嵐山も秋の紅葉シーズンが終わると、年末年始を除けば春の桜まで冬はとても静かです。冬の嵐山は、ゆっくり温泉やグルメを堪能し、人のいない「竹の小径」でインスタ用の写真を撮るなど、冬でも十分楽しめます。

どの季節に嵐山に行っても、外せない観光スポットのひとつは、世界遺産の天龍寺です。今回ご紹介するのは、その天龍寺の塔頭である妙智院(みょうちいん)です。妙智院は、天龍寺の駐車場入口のすぐ横にあります。拝観はできませんが、嵐山のメインストリートから天龍寺へ通り抜けできます。

京都名物の湯豆腐を堪能して境内へ

妙智院の敷地内には、直営の豆腐料理店「西山艸堂(せいざんそうどう)」があります。安政年間に創業の「森嘉」の嵯峨豆腐を使用している嵯峨野で一番古い湯豆腐処です。嵐山ではこの店以外に「豆腐料理 松ヶ枝」、「湯豆腐 嵯峨野」、「湯どうふ 竹むら」などでも、おいしい湯豆腐が食べられます。京都らしいグルメのひとつですので、ぜひ食べてみてください。

湯豆腐を食べた後は、妙智院の境内を通り抜けてください。天龍寺側の門の右手に立派な白梅があります。撮影した1月中頃、花は少しだけですが、咲き始めていました。苔がきれいなので、花がもっと咲いてくると苔の緑よく合います。梅の左手は庫裡の玄関で、入れないように柵が置いてあります。

境内には梅以外にもナンテン、ロウ細工のような黄色い花を咲かせるロウバイ(蝋梅)があり、冬でも色鮮やかな空間になっています。ここは通り抜けしないともったいないと思います。

1月中頃のロウバイは、まだほとんどがつぼみです。前夜の湿雪で、しずくがたれていました。ロウバイの花は、開くと透き通るような淡い黄色になります。まるでロウ細工のような不思議な質感の花からは、甘い芳香が漂います。

ロウバイの花は2月にかけて咲きますので、少し近づいて香りをかいでみてください。豆知識ですが、ロウバイは漢字で「蝋梅」と書きますが、ロウバイはロウバイ科で、梅はバラ科です。つまり、ロウバイは梅ではありません。梅がバラ科というのも、不思議に思われるかもしれません。

また、境内には宝徳稲荷と弁財天の2柱の神様がお祀りされています。天龍寺の山内では、毎年2月3日の節分の日に「天龍寺七福神めぐり」が行われます。七福神をお参りすると、7つの災いを除き、7つの幸福を授かるといいます。ここでは七福神の布袋尊の代わりに宝徳稲荷(稲荷神)になっています。山内塔頭を巡ってお札を受け取り、1年の幸福を祈願します。

世界文化遺産の天龍寺をサザンカが彩る

妙智院の境内を天龍寺側の門から出て西へ行くと、天龍寺の勅使門(ちょくしもん)があります。天皇からの使者である勅使を迎える時にだけ開かれた門です。勅使門は、寛永年間(1624年~1644年)のものとされています。天龍寺では最古の建造物で、桃山時代の様式を伝えています。

晩秋から冬にも勅使門のかたわらにはサザンカ(山茶花)が咲きます。サザンカは見た目がよくツバキ(椿)に似ていますが、ツバキと異なり、花弁が1枚1枚落ちます。天龍寺前庭は、サザンカの名所として知られています。11月から2月にかけて、赤や白、ピンクの花が咲きます。

撮影日は、この冬最強の寒波が来襲中で、吹雪いては止んでを繰り返していました。冬の京都は底冷えや、春秋に比べると殺風景で敬遠しがちになるかもしれませんが、足を運べばキレイな景色やおいしいものに出会えます。ぜひ人の少ない静かな京都を楽しんでください。



🌸アクセス
京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町63
バス:京都市営バス「嵐山」バス停、京都バス「京福嵐山駅前」バス停
電車:京福電鉄「嵐山駅」、JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」

🌸ホームページURL
なし

🌸公衆トイレ
なし

🌸周辺の見所
天龍寺、渡月橋、野宮神社、竹林の小径、大河内山荘