春は3月から4月にかけて次々と姿の異なる桜が咲きます。ひときわ存在感を放つ「魁桜(さきがけざくら)」は、平野神社発祥の桜で早咲きの品種であることから、この桜が咲き出すと都のお花見が始まると言われています。
1年に2度咲く桜がお出迎え
平野神社では、秋冬にも桜を見ることができます。境内には十月桜が、所々に植えられています。その名のとおり10月ごろから咲き始めて1月頃まで咲き、春にも花を咲かせます。秋冬咲きの花は、春よりも小さめです。
撮影日は1月中旬ですが、十月桜が小さくてかわいらしい八重咲の花をつけていました。葉は落葉しており、枝だけの状態です。ここの花は、他所の十月桜と比べると淡紅というよりかは白に近い感じです。
「日本花の会」の花図鑑で調べてみると、十月桜は「江戸彼岸と豆桜の雑種と推定されるコヒガン系の品種で、春と秋の二季咲きの桜です。秋は9月頃から咲き始め、暖かいところでは冬の間も少しずつ咲きつづけます。」とあります。
平野神社は桜だけじゃない
ほとんどの参拝客は、十月桜に目もくれずに行ってしまいます。写真を撮っている人がいると、何があるのかと寄ってきて初めて気が付くといった感じです。平野神社の境内には、桜以外にも花が植えられていますので、四季を通じて花を楽しめます。
大鳥居からすぐの「出世導引稲荷社」の前では、スイセンが咲いていました。写真はうまく撮れない位置ですが、肉眼では鳥居が背景になって良い感じに見えます。スイセンといえば、福井県の越前海岸の水仙畑が有名ですね。スイセンの花期は、12月から2月です。
同じく出世導引稲荷社の前では、ロウバイ(蝋梅)の花が少し咲いていました。市内の住宅街では花が咲いているのを見かけますが、ここのロウバイは少し遅いようです。ロウバイは、透き通るような質感が他の花にはない魅力です。光沢のあるロウ細工のような花びらは、不思議な質感です。
ロウバイの花は2月にかけて咲きますので、少し近づいて香りをかいでみてください。豆知識ですが、ロウバイは漢字で「蝋梅」と書きますが、ロウバイはロウバイ科で、梅はバラ科です。しかし、梅に負けず劣らず、とてもよい香りがします。
重要文化財の本殿で参拝
平野神社の本殿も見所です。国の重要文化財に指定されています。奥に4つの殿があるのが見えますが、2つの殿で1つの棟になっています。その独特な建築様式は、「平野造り」または「比翼春日造り」と呼ばれています。正式参拝で、御神前で玉串を捧げて拝礼することができます。
平野神社は、普段は参拝客は少なく、静かな時間を過ごせます。平野神社から徒歩ですぐの「北野天満宮」とセットで訪問するのがおすすめです。北野天満宮の北門から出て西へ向かえば、平野神社の大鳥居がすぐに見えてきます。
🌸アクセス
京都市北区平野宮本町1
バス:京都市営バス「衣笠校前」バス停 (北へ徒歩3分)
電車:京福電気鉄道/北野線「北野白梅町駅」 (北へ徒歩6分)
🌸ホームページ
平野神社オフィシャルサイト
http://www.hiranojinja.com/
🌸公衆トイレ
あり(普通)
📷周辺の見所
北野天満宮、金閣寺、等持院