2017/01/21

10月から咲く妙蓮寺の桜|京都知られざる穴場の絶景

本門法華宗の大本山「妙蓮寺(みょうれんじ)」は、一般のガイドブックではあまり紹介されていないお寺ですが、京都ツウの本には必ず出てくる必見のお寺です。妙蓮寺に行くときは、四季を通じて可憐な花が迎えてくれる期待感であふれます。

5月はツツジ、9月から10月頃は、山門前の参道脇や境内に芙蓉酔芙蓉が咲き、11月から翌春の3月末まで咲き続ける「妙蓮寺椿」でも知られています。そして、寒い秋冬でも山門をくぐって境内に入ると、出迎えてくれる桜があります。

御所から移築された格式高い山門

境内に入るとまず目に飛び込んでくるのは鐘楼です。国の重要文化財には指定されていませんが、その立派な姿に見とれます。そして、その先で御会式桜(おえしきざくら)が出迎えてくれます。御会式とは、日蓮聖人の命日である10月13日に日蓮宗各寺で行われる報恩感謝の法要のことです。

御会式桜の案内板には、「日蓮大聖人が御入滅された10月13日前後から咲き始め、翌4月8日のお釈迦様御生誕のころに満開になるめずらしい桜です。日蓮大聖人が御入滅になられた時、開花したという言い伝えのある桜です。」と説明があります。ただし、命日の10月13日は旧暦ですので、現在の暦に換算すると11月になります。

御会式桜は「十月桜」の別名

御会式桜は、品種としては「十月桜」です。その名のとおり10月ごろから咲き始めて1月頃まで咲き、春にも花を咲かせます。秋冬咲きの花は、春よりも小さめです。秋から春まで咲いているので、訪問の日程が組みやすいのが利点です。

1月中旬の撮影日には、十月桜が小さくてかわいらしい八重咲の花をつけていました。この桜の散った花びらを持ち帰ると、恋が成就するという言い伝えがあります。御会式桜の背後の建物は本堂です。反対側から見ると、桜と鐘楼がきれいに見えます。


ここの桜は根本近くで幹が分かれていて、背が低いので間近で花を観賞できます。十月桜の花は八重咲で、色は白または淡紅ですが、ここの花は淡紅です。

妙蓮寺の公式ツイッターでも、「この種の桜の中では緋色が強く、寒桜(カンザクラ)と間違われる方が多いようです。」とツイートされています。

十月桜は、京都市内では平野神社や京都御苑などでも見ることができます。また、妙蓮寺は、早咲きの椿「妙蓮寺椿」でも有名です。一重で朱紅の美しい花ですので、改めて紹介したいと思います。

また、妙蓮寺には伏見城から豊臣秀吉によって移されたと伝わる臥牛石(がぎゅうせき)を中心とした枯山水庭園「十六羅漢の庭」もあります。重要文化財長谷川等伯一派による障壁画、松尾社一切経などの見学は、予約が必要です。



🌸アクセス
京都市上京区妙蓮寺前町875(寺之内通大宮東入)
バス: 京都市営バス「堀川寺ノ内」バス停(徒歩3分・寺之内通を西へ約70m)
電車:京都市営地下鉄(烏丸線)「鞍馬口駅」(徒歩10分)

🌸ホームページURL
妙蓮寺オフィシャルサイト
http://myorenji.or.jp/

🌸公衆トイレ
なし

📷周辺の見所
宝鏡寺、本法寺、妙顕寺、茶道資料館