2017/03/25

平岡八幡宮の椿と花の天井|京都知られざる穴場の絶景

3月~4月に京都の高雄へ行かれる方におすすめしたいのが、京都市街から高雄に向かう道中にある平岡八幡宮(ひらおかはちまんぐう)です。

平岡八幡宮は、椿高雄もみじで知られる神社です。809年に弘法大師空海が、神護寺鎮護のため、現在地より高い山腹に宇佐八幡宮(大分県)から勧請したのが始まりとされています。

宮司による案内で楽しむ「椿を愛でる会」

平岡八幡宮では、境内に植わる約200種類、約300本の椿が見頃を迎える例年3月中旬頃から4月中旬頃まで、「椿を愛でる会」が開催されます。

地面に落ちた椿の花は、宮司が拾い集め、大福茶の接待を受ける場所に器に入れて置いてあります。ちょっとしたおもてなしが、訪れる人の気分を癒してくれます。

宮司が境内を案内し、椿や神社の見所などを説明してくださいます。拝殿の隅にも椿などがさりげなく生けてありました。本殿前の右には、左にはの木があります。

願い成就し、白玉椿一夜にて花咲く


ここにはぜひ見ていただきたい椿があります。樹齢約200年しだれ八重白玉椿です。この椿に願いを掛けると一夜にして純白の花が咲いて成就したという白玉椿伝説が故事に残されれています。

細めの小枝が枝垂れて、たくさんの花が咲きます。例年の見頃は3月下旬頃ですが、冷え込む日が続くと遅れます。3月初めは、まだ防寒用の覆いがかけられて保護されていました。



満開になるまで、待っていると先に咲いた花はどうしても傷んで変色してしまいます。花が上から下まで元気ということはないので、代わる代わる咲いている時が見頃です。


また、この椿には、宮司である佐々木さんの祖父の俳名(俳人としての雅号)をとって、「一水(いっすい)椿」という銘が付けられています。


境内に約300本の椿が咲き誇る


しだれ八重白玉椿の他にも境内にはたくさんの品種の椿があります。京都で椿といえば、霊鑑寺地蔵院、250品種、約600本の椿が展示される京都府立植物園なども名所として有名です。

上の写真は、本殿の横で咲いていた白い花の椿です。花の咲く時期が品種によって少しずつ違うので、訪れる度に新しい発見があります。

春の訪れを告げる椿は、日本原産の樹木で、古来から日本人に愛されてきました。そのため、品種改良でたくさんの園芸品種が作られてきました。

そのため、花色や花形、花の大きさの異なる椿がたくさんあります。

上の写真は、椿の小径と呼ばれる散策路で咲いていた椿です。

椿は日本原産の木で、古くから庭木として愛されてきました。江戸時代には椿が盛んに流行し、多くの園芸品種が生み出されています。

色も形も様々な美しい花が咲きほこっています。そして、椿の花が地面に落ちた光景もまた美しいく、長く楽しめるのが椿の良い所です。

上の写真は、日光(じっこう)と思われます。おしべが小円形にまとまる唐子(からこ)咲きが特徴です。

次々と花を咲かせるので、見頃はしばらく続きます。



上の写真は、日光と同じ唐子咲きの月光(がっこう)と思われます。関東では、卜半(ぼくはん)と呼ばれています。

月光(卜半)は、江戸時代初期にはその存在が知られており、当時の園芸書「広益地錦抄(こうえきちきんしょう)」(1719年)にも掲載されています。(貝塚市HPより)

月光(卜半)は、京都市内では霊鑑寺(左京区)、宝鏡寺(上京区)、大徳寺大仙院(北区)などで見ることができます。



境内には、の木も植えられており、椿との競演が楽しめます。例年だと桜が咲くよりも少し早くに訪れると、本殿前にが咲いています。


四季折々の花で彩られた「花の天井」

上の写真は、氏子さんが奉納された百椿図屏風です。たくさんの椿が描かれた色鮮やかな京友禅の屏風です。縁側に座布団が置いてあるので、ひと息つくことができます。

また、椿を愛でる会では、本殿内陣の「花の天井」が公開されます(有料)。江戸末期極彩色で描かれた天井には、椿や桜、ボタン、高雄もみじ、ケシ、甘草、ジャスミンなど44枚の花卉図が描かれています。

平岡八幡宮は、高尾にある神護寺などとセットで立ち寄りたい穴場の名所です。訪れる人は少なく、静かに美しい花々に囲まれ、心を癒すことができます。



🌸アクセス
京都市右京区梅ケ畑宮ノ口町23
バス:京都市営バス・西日本JRバス「平岡八幡前」バス停

🌸ホームページURL
京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi

🌸公衆トイレ
あり

🌸周辺の見所
神護寺