2017/02/19

妙心寺圧巻の七堂伽藍|京都知られざる穴場の絶景

妙心寺(みょうしんじ)は、周辺の金閣寺龍安寺仁和寺という世界遺産の陰にかくれて、後回しにされているお寺かもしれません。でも、京都人は妙心寺のすごさを知っています。

妙心寺は、全国に約3,400ヵ寺ある臨済宗妙心寺派大本山で、塔頭は46にも及ぶ日本最大の禅寺です。世界遺産の龍安寺も妙心寺の境外塔頭です。

圧倒的スケールの七堂伽藍

南総門から境内に入ると、国の重要文化財に指定されている三門仏殿法堂(はっとう)などの諸堂が一直線に並んでいます。

上の写真は、承応2年(1653年)に建立された庫裏(くり)です。庫裏は七堂伽藍(しちどうがらん)のひとつで、国の重要文化財に指定されています。

庫裏は、寺の台所です。大寺院の妙心寺ともなると、一度に数百人分の食事を調理・配膳できなければならないので、当然大きな庫裏になります。

庫裏の中に入って高い天井を見上げると、巨大な木材が縦横に組まれています。5つの大かまどのある大庫裏小庫裏、三十畳の食堂(じきどう)、貯蔵庫などがあります。

上の写真は、鬼瓦切妻破風(きりつまはふ)です。本を開いて伏せたような切妻造の屋根にできる破風のことを切妻破風といいます。

美しい曲線を描く屋根は、木の薄板を幾重にも重ねる杮葺(こけらぶき)です。200年ほど前の改築で瓦葺にされていたものが、平成の修復工事で、建立当時の姿に復元されました。

梁が瓦屋根の重さに耐え切れなくなっていたので、杮葺に戻されました。ただし、杮葺は約20年から30年の間隔で葺替えをしなければならないそうです。

庫裏を出た所に椿が咲いていました。撮影した2月中旬は、まだほとんど蕾でした。

下の写真は、経蔵(きょうぞう)です。経蔵は通常公開されておらず、「京の冬の旅」などで特別公開されることがあります。経蔵も国の重要文化財に指定されています。

経蔵には、6,500巻の経典を納めた八角形の回転式輪蔵が据えられています。一回転させると全巻を読んだのと同じ功徳が得られるといいます。

1年に1回、僧侶がまるでアコーディオンのような経典を虫干しをされる際に、輪蔵に油をさして回転させるそうです。

内部には、輪蔵の前に経蔵の正面を向いた傅大士(ふだいし)像が安置されています。傅大士は輪蔵を考案した人で、2人の子と一緒に安置されていることが多いです。

輪蔵には、一面あたり100個、八面で計800個の箱があります。輪蔵の下段には四天王や金剛力士像など八天像が祀られています。

妙心寺の訪問後は、花の寺として知られる法金剛院をセットで訪問されるのがおすすめです。妙心寺の北門から出れば、龍安寺までは歩いて15分もかかりません。



🌸アクセス
京都市右京区花園妙心寺町64
<南門>
バス:京都市営バス・京都バス「妙心寺前」
電車:JR嵯峨野線「花園駅」東へ徒歩5分
<北門>
バス:京都市営バス「妙心寺北門前」
電車:京福電鉄北野線「妙心寺駅」東へ徒歩3分

🌸ホームページURL
妙心寺オフィシャルサイト

🌸公衆トイレ
あり(きれい)

📷周辺の見所
法金剛院、仁和寺、龍安寺、等持院