世界遺産の龍安寺(りょうあんじ)は、石庭で知られる臨済宗妙心寺派の寺院です。諸堂は、1797年の火災によって焼失したため、意外にも龍安寺に国宝に指定されている建造物はありません。
現在の方丈(本堂)は、1606年建立の西源院方丈を1797年に移築したもので、国の重要文化財に指定されています。石庭は方丈の南側にあり、白砂敷に15個の石が巧みに配置された枯山水庭園で、国の特別名勝に指定されています。
世界に誇る冬の日本の美
撮影の2月中旬、西日本の上空に強烈な寒気が流れ込み、京都市内も積雪しました。翌朝は青空が広がり、時折り陽の光が差すなか山門をくぐると、鏡容池の水面には美しい雪景色が映り込んでいました。
雪が多いと石庭の背の低い石が埋もれてしまいますが、絶妙な積雪でした。白いキャンバスに散りばめられた15個の石と土塀、雪化粧した木々が調和し、水墨画のような絶景を作り出していました。
よく見ると、雪の下の枯山水の砂紋がうっすら浮かび上がっていました。砂紋は毎日引くそうですが、雪の日は修行僧のお役目は免除です。
石庭は、春は桜、夏は緑、秋は紅葉と四季を通じて美しい光景です。冬は寒いですが、目の前に広がる水墨画のような光景は、縁側に座ってずっと眺めていても飽きることはありません。
方丈の襖には、臥竜梅(がりょうばい)が描かれています。梅の木の幹が低く枝がねじれて地上をはうような姿が、竜が伏せた姿を思わせます。
描いた画家は、京都生まれで大正末期から昭和初期に活躍した皐月鶴翁です。昭和32年に5年ほどかけて完成したといわれています。襖絵の梅が、冬の寒さの中にも春の到来を予感させます。
京都市内で雪が降ると、金閣寺には開門前から長い行列ができます。そして、上空をヘリコプターが飛ぶというのが定番です。龍安寺は穴場で、静かに雪景色の絶景を楽しめます。
4月になると修学旅行が始まるので、静かな龍安寺を味わいたいのなら3月までです。2月は、観光バスのツアー客も少なめです。縁側は寒いので、しっかり防寒してください。
🌸アクセス
京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
バス:京都市営バス・西日本JRバス「竜安寺前」バス停
電車:京福電鉄北野線「龍安寺駅」北へ徒歩7分
🌸ホームページURL
龍安寺オフィシャルサイト
🌸公衆トイレ
あり
📷周辺の見所
仁和寺、等持院、妙心寺、金閣寺