2017/04/22

京都知られざる穴場の絶景|三寳寺の御車返しの桜

奥深い京都の魅力を求めて、今回は郊外の高尾方面へ向かいます。
人気観光地は雑踏で悩まされますが、少し郊外へ出るだけで京都本来の趣を楽しめます。

今回ご紹介するのは、日蓮宗の寺院、三寳寺(さんぼうじ)です。
12月に行われる厄落としの大根焚きは、雑誌などでもよくとりあげられています。

三寳寺は、京都市街から高尾に向かう道中の鳴滝(なるたき)にありますので、高尾の神護寺や御室(おむろ)の仁和寺とセットで訪問するのがおすすめです。


郊外の静かな寺院で遅咲きの桜を楽しむ

京都では、仁和寺の御室桜が京都の春の終わりを告げると言いますが、おそらく最期を飾るにふさわしい名桜という意味合いで、実際には御室桜よりも遅咲きの桜はあります。

三寳寺の境内には、遅咲きの「御車(みくるま)返しの桜」があります。
御車返しは、ヤマザクラの1種で、ひとつの枝に一重と八重の花が咲くのが特徴です。


御車返しという名は、後水尾(ごみずのお)天皇が花のあまりの美しさに御車を引き返させてご覧になったことから付けられたといわれています。


三寳寺の御車返しの桜は、もとは京都御所近くの公家の菊亭家邸から宝暦年間(1751年~1764年)に根分け移植されたと伝わる桜でした。

京都市の保存樹に指定されていましたが、老齢化などで次々と枯れていき、万策を尽くされたものの、平成19年に最後の木が枯れてしまいました。

現在はお寺の尽力で枝から接ぎ木で増殖された後継の木が美しい花を咲かせています。
またその名にふさわしい美しい姿を取り戻す日が来ることが期待されます。

境内には御車返しの桜の他に白や紅の枝垂れ桜がありますが、見頃を過ぎていました。
御車返しも花が散り始めていたので、もう1週早く来るとベストだったようです。

その代わりに駐車場では、遅咲きの桜がちょうど満開を迎えていました。
三寳寺は、静かな環境で花を楽しみたい方におすすめのお寺です。


また、三寳寺は洛陽十二支妙見めぐりのひとつで、鳴滝の妙見さんと親しまれています。
境内の小高い山の中腹にある妙見宮に北辰妙見大菩薩が祀られています。

開運厄除け、方除け、寿福、特に戌歳生まれの人の守護神として、また戌が安産に通じるところから安産祈願所としても有名です。(出典:三寳寺ホームページ)



🌸アクセス
京都市右京区鳴滝松本町32
バス:京都市営バス・西日本JRバス「三宝寺」バス停

🌸ホームページURL
三寳寺オフィシャルサイト

🌸公衆トイレ
なし

🌸周辺の見所
順興寺