2017/05/06

京都知られざる穴場の絶景|本満寺の牡丹

奥深い京都の魅力を求めて、今回は京都御苑の周辺へ向かいます。
京都御苑の東側を沿って走る寺町通には、寺院が連なるように建ち並んでいます。

今回ご紹介するのは、その寺町通に面して建つ本満寺(ほんまんじ)です。
京都御苑から歩いて行ける距離ですので、京都御苑とセットで訪問するのがおすすめです。

本満寺といえば、円山公園の「祇園枝垂れ」の姉妹樹である枝垂れ桜が有名です。
その枝垂れ桜が見頃を過ぎた頃、入れ替わるように牡丹(ボタン)が咲き始めます。


近衛家とゆかりある日蓮宗の本山(由緒寺院)

本満寺は、公家の五摂家のひとつ近衛家とゆかりがあり、近衛家の家紋(近衛牡丹)に牡丹がかたどられていることにちなんで、牡丹が植えられるようになったといいます。


寺伝によれば、本満寺は、関白・近衛道嗣の邸宅内に、その子で僧の玉洞妙院日秀(にっしゅう)が広宣流布山本願満足寺と号し創建したのに始まるといいます。

1410年の創建当時に本満寺があった場所には、元本満寺町という町名が残されています。
同志社大渓水館の発掘調査では、本満寺を巡っていたと推定される溝が見つかっています。


静かな境内を彩る色とりどりの牡丹

牡丹は、枝垂れ桜の前や本堂の前と西側で咲いています。
例年だと見頃は、4月中旬から5月上旬です。

今回は少し来るのが遅かったので、本堂前の牡丹は見頃を過ぎていました。
写真は、枝垂れ桜の前で咲いていた黄色の牡丹です。

品種名が書かれたものがなかったので、残念ながら品種名はわかりません。
朝早くに訪れましたが、水やりが終わっていて大切にされているのが伝わってきました。

下の3枚の写真は、本堂前で撮影したものです。
牡丹は、8世紀に中国から薬用植物として渡来したといわれています。

後に観賞用も栽培されるようになり、江戸時代に多くの園芸品種が生み出されています。
現在栽培されている品種の多くは、明治時代以降に作出されたものです。
(出典:NHK出版「みんなの趣味の園芸」)


牡丹と似た花にシャクヤクがあります。ともにボタン科ボタン属に属します。
牡丹は小低木ですが、シャクヤクは、冬に地上部が枯れる多年生の草です。

「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」ということわざがあります。
 美しい女性の容姿や立ち居振る舞いを花にたとえて形容する言葉です。

それほど牡丹は、昔から美しさを象徴する植物だったのでしょう。
近衛家が家紋に優美で豪華な牡丹を用いたのも納得がいきます。

下の写真を撮影している間に、花びらが散り始めました。
花びらは1枚ずつ散るのですが、短時間に次々と花びらが落ちてきました。

大輪の花が一気に散っていく様子に、はかなさを感じました。
GWですが、本満寺は客が少ないので、人知れずひっそりと散っていくのでしょう。

本満寺は、観光寺院ではありませんが、境内は自由に歩けます。
境内の西の妙見菩薩を祀る妙見宮は、洛陽十二支妙見めぐりのひとつです。

また、本堂脇には、徳川家康の二男・秀康の正室、蓮乗院の石廟があります。
境内の墓地には、武将・山中鹿之介(やまなか ゆきもり)の墓があります。



🌸アクセス
京都市上京区鶴山町16(寺町通今出川上る二丁目 )
バス:京都市営バス「葵橋西詰」バス停 徒歩3分
電車:京阪電気鉄道鴨東線「出町柳駅」 徒歩約10分

🌸ホームページURL
京都観光オフィシャルサイト 京都観光Navi

🌸公衆トイレ
なし

🌸本満寺で見られる花
桜、ボタン、シャクヤク

🌸周辺の見所
京都御苑、阿弥陀寺、下鴨神社